本記事はRazer様より製品提供を受けて作成していますが、内容はあくまで実際に使用した正直レビューです。
こんにちは!
りくガジェのりくぴいです。@rikupii_gadget
今回は 2025年5月16日に発売されたRazer Clio のレビューです。
Razer Clioはきわめてユニークな商品で、こうした「ゲーミングチェア用の後付けヘッドレスト型スピーカー」は、私の知る限りほとんど前例がなく、実質的に初の存在といえるでしょう。
ちなみに、自動車の世界でもヘッドレストにスピーカーを内蔵する例はあります。たとえば、日産「ノート オーラ」ではBOSEのパーソナルプラスサウンドシステムを採用し、耳元から音を届ける仕組みになっています。
Razer Clioも同様に耳元にスピーカーを配置して没入感を高める設計ですが、特に優れているのは、シートをリクライニングしてもリスニングポイントがずれない点。
さらに、THXイマーシブモードによって音場の広がりや映画館のような臨場感を体感できるのも大きなメリットです。
この記事では、実際のチェアへの装着感や注意点も交えながら、Clioを詳しくレビューしていきます。
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まずチェック!装着は1本固定になる場合あり

Razer Clioは、Razer Iskur V2、Razer Iskur V2 X、Razer Enki シリーズを含む、Razer製ゲーミングチェアだけでなく、他社製のゲーミングチェアにも取り付け可能な汎用ヘッドレストです。
ただし、私が使っているSecretlab TITAN Evoでは、ヘッドレストの形状や厚みによってバンドが1本しか固定できませんでした。

他社製のゲーミングチェアで使用する場合、ヘッドレストの形状・厚みによりバンド調整の自由度がやや制限されるので、ここは注意点として押さえておくと良いでしょう。
とはいえ、1本留めでも十分にしっかり固定でき、使用中にズレたり落ちたりすることはありません。ベルトの素材は強靭で、本体への縫製もしっかりしているため安心感があります。

汎用性は高いものの、やはりRazer製ゲーミングチェアに最適化された設計なので、他社製チェアでは、フィット感には多少の個体差があると考えておくと安心です。
スペックと基本性能
画像出典元: Razer
一般的なスピーカーはデスクの前に置きますが、Razer Clioはヘッドレストにスピーカーを内蔵しており、耳元から音が広がるのが特徴。
左右には2基のパッシブラジエーター搭載ドライバーを配置しており、コンパクトながら低音の迫力も十分。映画や音楽を立体的に楽しめます。
接続方式は2.4 GHz HyperSpeedとBluetoothに対応。PCだけでなく、スマホやタブレットとも簡単にペアリングできるので、ゲームから作業用BGMまで幅広く活用可能です。
バッテリーは最大14時間駆動で、充電は約6時間ほど。
スマホなどとBluetooth接続すればスピーカーとして単体で使用できますが、RAZER SYNAPSEを利用して細かい設定やファームウェア更新を行う場合は、Windows 10以降のPCが必要です。
付属品

Razer Clioの付属品はかなりシンプルな構成です。
Razer Clioの付属品
- USB Type C ドングル
- 説明書
- ステッカー
なお、充電ケーブルは同梱されていないため、別途用意する必要があります。
説明書では 「High Speed USB-C ケーブル(3A)」 の使用が推奨されているので、15W以上のUSB-C充電器と組み合わせれば十分に対応可能 です。
私はスマホ用の充電ケーブルと充電器を使っていますが、問題なく充電できています。
接続方法
Razer Clioの接続方式は、2.4 GHz HyperSpeedとBluetoothに対応しています。
どちらも特に難しい操作はなく、すぐに使い始められる印象です。
HyperSpeed Wireless(2.4GHz)での接続手順

付属のHyperSpeed Wireless DongleをPCに差し込み、Razer Clioの電源をONにするだけで接続完了です。
プロンプトが表示されたら Razer Synapse をインストールするか、razer.com/synapse か らインストーラーをダウンロードします。

そしてPCのサウンドの設定をRazer Clio2.4に変更。

Apex Legendsの音声設定画面

Discordの音声・ビデオ設定画面
サウンド設定を「Razer Clio 2.4」に変更しても音が出ない場合は、各ゲームのオーディオ設定で出力デバイスが 「システムデフォルト」または「Razer Clio 2.4」 になっているか確認してください。
また、Discordで相手の声が聞こえない場合も、音声・ビデオ設定画面で出力デバイスを 「Razer Clio 2.4」 に変更すればOK。
Bluetoothでの接続方法

Razer Clioの電源をONにして、入力ソースをBluetoothに切り替えます。
その後、PCやスマホなどのBluetoothを有効にし、検出されたデバイス一覧から「Razer Clio BT」を選択してください。
デザインと操作性
スピーカーを内蔵した斬新なヘッドレストデザイン

中央にRazerロゴが配置されている
Razer Clioのデザインは、スピーカーを内蔵したヘッドレストとして、これまでにない斬新なフォルムが特徴です。
左右に配置されたドライバーユニット部がしっかりと頭を包み込むような形状。
重量は約1.61kgで、実際に手に持つとズッシリとした重さを感じます。
これはスピーカーシステムや大容量バッテリーを内蔵しているためで、見た目以上に密度感があります。

頭が触れる部分はさらりとしたファブリック素材で仕上げられており、長時間使用しても蒸れにくく快適。

端にはTHX Spatial Audio対応を示すロゴが配置されています。

そしてユニークなのは本体裏側。
2本の長さ調節バンドで、ゲーミングチェアのヘッドレストにしっかり取り付けられる仕組みになっています。

スピーカーにもみえるのですが、低音を受け持つパッシブラジエーターで内部の空気の圧力で共鳴させる仕組みになっています。
小型スピーカーでも低音を強化できるため、コンパクトなBluetoothスピーカーにもよく見られるシステムです。
ボタン配置とUSB-C充電端子

操作部は本体上部に並んでいます。
- 音量コントロールボタン
- インジゲーターLED
- 電源ボタン
- EQボタン
- ソースボタン
操作アイコンもわかりやすく、レイアウトも適切で迷うことなく操作できます。
押した瞬間の「カチッ」とした心地よいクリック感があり、直感的かつ安心して操作できる印象です。

本体側面にはUSB Type-Cポートを備えており、ここから充電を行います。使用中でも充電は可能ですが、ケーブルが床に伸びたままになるため、足を引っかける心配があります。
説明書にも記載されていますが、安全面を考えて、ヘッドレストを外して充電するのがベターでしょう。
装着感レビュー

装着感については、リクライニング角度によって大きく変わります。
Secretlab TITAN Evoに取り付けて試したところ、角度を90°に直立させると、Clio本体の下側が肩に軽く触れてしまう感じがあります。
ただし、これはRazer純正ゲーミングチェアではないため、ある程度は仕方ない部分だと思いますが、個人的には汎用ヘッドレストとして使うのであれば十分に許容範囲と感じました。

リクライニングして後傾姿勢になるとヘッドレストが頭をしっかり支えてくれる自然なポジションです。
ヘッドレスト中央にくぼみを設けた立体構造のおかげで、頭がすっと収まりやすいいため。
音質
THXイマーシブモードで映画館のような臨場感

実際に聴いてまず驚いたのは、音の広がり方。
一般的なブックシェルフスピーカーが前方から音を飛ばしてくるのに対し、Razer Clioは耳のまわり全体から音が押し寄せてくるような感覚です。
また、THXイマーシブモードを搭載しており、本体のみの使用でもTHXの立体音響アルゴリズムによる音場の広がりを体感できます。
まるで映画館のような臨場感で、リクライニングしても常にリスニングポイントの中心にいる感覚があり、自分だけの映画感にいるような錯覚を覚えるほど。
左右のスピーカーが耳元に近いためサラウンド感は圧倒的で、「音が自分をグワッと取り囲む」瞬間は鳥肌モノです。
もちろん、音の定位感や遮音性においては従来のヘッドホンには及びませんが、耳をふさがずに得られる360°サラウンドはまさに新感覚。
“包み込まれる体験”は実際に体験した人だけが味わえる、ちょっとした贅沢感です。
3種類のプリセットEQとカスタムイコライザー
Razer Clioの音質は、高音と低音を強調したいわゆる“ドンシャリ感”はなく、あくまで広がりを重視した安定志向のセッティングという印象。
高音域も必要以上に尖っていないため、耳元にスピーカーが近くても耳が疲れにくいのが好印象です。
低音もパンチがあり、爆発シーンなどの低い音もしっかり響きます。
ボリュームを上げても低音・高音の心地よさを保ってくれるあたりは。空間的な広がりを意識したサラウンド再生に最適化されたチューニングが施されていると感じました。
また、Razer Clioは3つのプリセットイコライザーとカスタムイコライザーを備えています。

ゲーム
通話や足音がクリアに聞こえ、バトルで有利に

映画
MOBAからRPG、映画まで ― 迫力の低音で没入感UP

音楽
ダイナミック低音 × 明瞭サウンドで細部まで忠実再生

カスタム
イコライザーで自在にカスタム
イコライザーの設定次第で聞こえ方は大きく変わります。
高音を少し強調すればよりクリアに、低音を持ち上げれば迫力のあるサウンドに変化。
このあたりは、自分好みにカスタマイズして楽しめるのも魅力です。
サラウンドスピーカーとしての拡張性

Razer Clioはメインスピーカーとしてだけでなく、メインスピーカーを補完するサラウンドスピーカーとしても使用可能です。
この場合は、スピーカーモードを「第1」から「サラウンド」に切り替えるだけで簡単に利用できます。
さらに音量バランスやイコライザー、タイムアライメントなど、細かい調整にも対応しているのが魅力。
※デスクスピーカー設置後のサラウンド環境については、改めて追記予定です。
用途別の使用感
FPSゲーム ― 臨場感は抜群だが定位感はやや甘め

この手のゲームでは足音から敵の位置を正確に把握することが重要です。
Razer Clioは、音の広がり方が圧倒的で、頭の周囲から降り注ぐように銃声や足音、リロード音が響きわたり、ヘッドホンとは違った臨場感を味わえます。
一方で、足音の定位感という点では一般的なゲーミングヘッドホンにやや劣る印象があります。加えて、スピーカー出力の仕様上、VC(ボイスチャット)では音声がマイクに乗る場合があるため、必要に応じて音量やマイク感度を調整するとよいでしょう。
とはいえ、友達とリビングで一緒に遊んでいるような開放感のある雰囲気を楽しめるのは大きな魅力。
さらに、耳をふさがず頭に何も装着しないので、長時間のプレイでも肩や首への負担が少なくリラックスして遊べます。
本格的なランクリーグで勝ちを追求するよりも、カジュアルにゲームを楽しむスタイルに特に向いていると感じました。
MMOゲーム ― 環境音やムービーで圧倒的没入感

続いては、ファイナルファンタジーXIV。
ヘッドホンと比べると、耳の周囲が解放されている分、音の広がりが圧倒的に優れています。
キャラクターの足音や鎧のきしみ、風のそよぎといった環境音が立体的に響き、とくにムービーシーンではまるで映画を観ているかのような没入感を味わえました。
また、ヘッドホンを装着しないぶん肩や首への負担がなく、長時間プレイでも快適。MMOは気づけば数時間遊んでしまうことも多いため、このメリットは大きく感じます。
さらに、耳の後方にまで音場が広がることで生まれる包み込まれるような没入感は、従来のヘッドホンでは得られなかった新しい体験でした。
SIMレーシング ― まさに“没入感のかたまり”

Razer Clioは当初ゲーミングチェアでの使用を想定していましたが、レーシングコクピットに取り付けてみたところ、その没入感に驚かされました。
まさに『没入感のかたまり』。
明瞭な音場が前方にしっかりと広がり、エンジンサウンドや風切り音、タイヤのスキール音まで包み込まれる感覚は、まるで実車に乗っているよう。
音の解像感はヘッドホンに及ばないものの、耳をふさがないことで圧迫感がなく、自然なサラウンド感によってリアルさが増すのが魅力です。
ヘッドレストを使うためシート全体のバランスはやや崩れますが、それを踏まえても臨場感は非常に魅力的。さらに、2.4GHz HyperSpeed対応で遅延や音切れもなく安定して使えました。
動画サービス ― アクションシーンで映える立体音響

ゲームだけでなく、映画やドラマのアクションシーンでも、THXの立体音響のよさを感じます。
ブックシェルフスピーカーや一般的なヘッドホンでは体験できない、頭の周囲を包み込むような立体的な音場はネットフリックスやYouTubeなどの動画サービスでも十分に体験できます。
さらにスピーカーが耳のすぐそばにあるため、必要な音量はごくわずかで、爆音で楽しんでいるつもりでもチェアから少し離れると意外なほど静かです。
深夜でも周囲を気にせず使えるのは、大きなメリットといえます。
まとめ
Razer Clioをレビューしました。
ヘッドレストに装着するスピーカーのメリットは、シートをリクライニングしてもリスニングポイントがずれず、サラウンドによる没入感を得られる点です。
さらに耳をふさがないため、頭を軽くリラックスした状態で楽しめるのも魅力でした。
意外な使い方ではありますが、レーシングコクピットでの使用が特に印象的で、このあたりにもClioの汎用性の高さが感じられます。
一方で、装着時のバンドの短さやフィット感など、改善を望みたい部分も残りました。
それでも、新しいジャンルを切り開いた製品であることを考えれば、非常に伸びしろのあるアイテム。今後の進化に大いに期待できます。
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本記事はRazer様より製品提供を受けて作成していますが、内容はあくまで実際に使用した正直レビューです。


