本記事はXGIMI様より製品貸与を受けて執筆していますが、内容の編集権は当方にあり、事前確認や指示はありません。
こんにちは!
りくガジェのりくぴいです。@rikupii_gadget
XGIMIの新フラッグシッププロジェクター、 HORIZON 20 Pro を発売前にお借りしました。
最初に一言。
現時点で『もっとも完成系に近い』と思えるプロジェクターではないかと感じます(言いきる)。
- 1 ms の極低遅延(ゲームも超快適)
- 4,100 ISOルーメンの高輝度
- 光学ズームで設置自由度が高い
- X-Master RGB 3色レーザーエンジンで圧倒的な色再現
詳しくは本文で掘り下げますが、4,100 ISOルーメン ×RGB 3色レーザーが生む映像は力強く、PS5の4K描写力もしっかり引き出す印象です。
もちろん気になる点もありました。
本記事では、使い勝手・画質・音質に加えて、PS5を始めとする各ゲーム機での実プレイ検証(入力遅延や見え方)まで徹底レビューします。
画質・映像・ゲームプレイをサックリ見る場合は動画も作成しています↓↓
HORIZON 20シリーズ:3モデルの違いを整理

HORIZON 20シリーズには、輝度の異なる3モデルがラインナップされています。
- HORIZON 20 MAX:圧巻の5,700 ISOルーメンを誇る最上位モデル
- HORIZON 20 Pro:明るさと価格のバランスに優れた4,100 ISOルーメンの中位モデル
- HORIZON 20:3,200 ISOルーメンの輝度を備えたベーシックモデル
3モデルの主な違いは「明るさ」。
それにともない、消費電力や重量もわずかに異なりますが、光源はいずれもRGB 3色レーザーエンジンを採用し、本体サイズ、自動補正やGoogle TVなどの基本機能は共通です。
今回は、価格と性能のバランスが高い、4,100 ISOの輝度の中位モデルのHORIZON 20 Proを徹底的に掘り下げていきます。
HORIZON 20 Pro|主な仕様
| モデル | HORIZON 20 Pro![]() |
|---|---|
| サイズ | 幅 298 mm × 奥行 190 mm × 高さ 249 mm |
| 重量 | 4.9 kg |
| 光源 | RGB 3色レーザー |
| 輝度 | 4,100 ISOルーメン |
| 解像度 | 4K(3,840 × 2,160) |
| コントラスト比 | 20,000:1(DBLE オン) |
| アスペクト比 | 16:9 |
| 対応フォーマット | HDR10+/IMAX Enhanced/Dolby Vision |
| スクリーンサイズ | 40~300インチ |
| フォーカス | 自動 |
| 台形補正 | 自動 |
| 水平補正 | 自動 |
| スクリーンフィット | ○ |
| 障害物回避 | ○ |
| スピーカー出力 | harman/kardon 12 W ×2(計24 W) |
| 騒音レベル | 28 dB未満(1 m) |
| 価格 | 349,900円(税込 |
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HORIZON 20 Pro は、XGIMI独自の『X-Master RGB 3色レーザーエンジン』を採用した、4,100 ISOルーメンの高輝度ホームプロジェクターです。
4K解像度に対応し、 harman/kardon製の12W×2スピーカーを搭載し、DTS Virtual:XやDolby Audioにも対応。
音が部屋全体に広がるような立体感があり、映画だけでなくライブ映像やゲームでも臨場感が抜群です。
使い勝手の面では、天井投影も可能な垂直135°・水平360°回転スタンドを内蔵で壁面の位置角度や天井投影も自由自在。
OSはGoogle TVを採用。
Netflix、Amazon Prime Video、TVer、YouTubeといった主要アプリにしっかり対応しており、 リモコンひとつで視聴が完結します。
そしてHORIZON 20 Pro最大の特長が、ゲーム特化設計。
最大1 msの極低遅延に加え、ALLM(自動低遅延モード)とVRR(可変リフレッシュレート)に対応。映像のカクつきやチラつきを抑え、ボタン操作の反応をダイレクトに画面へ伝えます。
つまり、映画もゲームも、『本気で没入できる』スペックを備えているというわけです。
同梱品をチェック

HORIZON 20 Proの同梱品
- アダプター・電源コード
- Bluetoothリモコン
- 単4電池×2本
- 説明書
- 安全に関するガイド
- 保証書
同梱品についてはシンプルかつ必要なものはすべて揃っているため、届いたらすぐに使えます。

電源アダプターは180 W出力タイプで、ケーブルを含めた総重量は約936gでした。
やや重量はありますが、基本的に持ち歩くものではないため、特に気になるほどではありません。


本体や付属品をひとまとめにできるソフトタイプの収納ケースが付属します。
クッション性があり、収納時や持ち運びの際も安心できる仕様です。

リモコンはアルミ調のマット仕上げで、手に持つとほんのり冷たい感触があり、手を通じて上質な高級感が伝わってきます。
ストリーミングボタンにはYouTube/Netflix/Amazon Prime Videoがデフォルトで割り当て済みです。

なお、手に取った振動でボタンが自動点灯する仕様になっており、 暗い部屋でもスムーズに操作できるのが便利でした。

ボタン配置については、ストリーミング、操作系、音量ボタンが明確にゾーンごとに分けられており、直感的な操作も可能です。

中央の青い『Live TV』ボタンは、動画配信サービスのショートカットキーとして登録できます。
Live TVボタンを長押しすれば再登録も簡単に行えるので、自分のよく使うアプリを自由に割り当てておくと便利です。
デザインと使い勝手
本体のサイズ・質感


HORIZON 20 Proの本体サイズは幅 298 mm × 奥行 190 mm × 高さ 249 mm。
重量は約4.9 kg。このクラスのホームプロジェクターとしては標準的で、持ち運びにはやや重さを感じるものの、据え置き型としての安定感があります。

HORIZON 20 Proのデザインは従来のHORIZONシリーズを踏襲しつつ、本体カラーには上品なエレファントグレーを採用。
無機質すぎず、かといって暖かすぎない絶妙なトーンで、ブラック・ホワイト・木目調など、どんなインテリアにも自然に馴染みます。
また、この色はホコリや指紋が目立ちにくいのも嬉しいポイントです。

本体の前面・背面以外には細かなシボ加工を施したマットなプラスチック素材を採用。
指先にほんのり柔らかさを感じる手触りで、控えめながらも上品な高級感があります。

スタンドは垂直135°・水平360°の回転スタンドを内蔵しており、天井投影にも対応。
実際に使ってみると、片手でスムーズに動かせる軽さと、しっかり止まる保持力のバランスが絶妙で、角度の微調整も快適に行えます。

さらに、電源ケーブルの差し込み口がスタンド内部に組み込まれているため、配線が目立たず見た目もすっきり。
天井投影でもアダプターが邪魔にならず、角度調整もラクなのが嬉しいポイントです。
端子まわり

端子は左から
- 光デジタル
- USB 2.0 (Type-A)
- USB 3.0 (Type-A)
- HDMI (eARC対応)
- HDMI
- ヘッドホン (3.5mm)
- 電源ボタン
HDMI端子は2系統。1080p時に限り、PS5やPCはどちらのHDMI端子でも最大240 Hzでプレイ可能です。
もう一方のHDMI(eARC対応)端子に対応サウンドバー等を接続すれば、映画もゲームもサラウンドで楽しめます。
台形補正・オートフォーカス精度を検証

HORIZON 20 Proには、6種類の画像補正機能が搭載されています。
補正のたびに白い画面が一瞬挟まるタイプではなく、リアルタイムで映像を見ながら補正が行われるため、調整中の違和感がほとんどありません。画面が自然に整っていく様子は非常にシームレスに感じました。
また、スクリーンフィット機能も精度が高く、スクリーンの黒枠をしっかり覆うように投影すれば、自動で黒枠内にピタッと収まります。
一定の距離さえ確保できていれば、斜め方向からの投影でも正確に補正され、イジワルな角度で置いても歪みのない映像を表示してくれました。

フォーカスは概ね良好ですが、まれにごくわずかに甘さを感じることもあります。
ただ、「オートフォーカス較正」を実行すれば基準がリセットされ、ピントが正確に合うようになり、満足度の高い画質が得られました。
全体として、補正の速度・精度ともに非常に優秀で、使い始めから調整ストレスをまったく感じないというのが大きな魅力です。
レンズシフト

HORIZON 20 Proには、レンズシフト機能が搭載されています。
これがとにかく便利で、「あと5cmだけ左に動かしたい…!」というような、細かい投影位置の調整をリモコン操作だけで簡単に行えるもの。
使い方はシンプルで、まず本体を大まかに設置したら、あとはレンズシフト機能を使って投影画面を上下左右に微調整するだけ。
最大のメリットは、本体の角度を変えずに画面位置を動かせること。
台形補正を多用すると、ピクセルが引き延ばされて画質の劣化や明るさの低下が起こりがちですが、レンズシフトなら画質を損なわずに調整が可能です。
注意点として、レンズシフトを使用すると、自動台形補正やオートフォーカスなどの映像補正機能は一時的に無効になります。
そのため、まずプロジェクターの位置を決めて補正を終えたあと、最後の微調整でレンズシフトを使うのがスムーズでした。
明るさ検証:日中・間接照明・暗室で比較

HORIZON 20 Proの明るさは 4,100 ISOルーメン と非常に高く、さらにX-Master RGB 3色レーザーエンジンを採用していることで、光が拡散しにくく、狙った波長の「純度の高い色」がそのままスクリーンに届きます。
そのため、同じルーメン値でもLEDやハイブリッド光源プロジェクターに比べて、色の濃さやコントラストが維持されやすいのが大きな特徴です。
日中にカーテンを開けたままの部屋や、照明をつけたままのリビングでも映像が白っぽくなりにくく、十分な視認性と色再現性を確保できます。
ただし、テレビのようにパネル自体が発光する仕組みではないため、視聴環境の明るさや日光の当たり方によって見やすさは変わります。
明るい場所でも視聴できるとはいえ、その体感は人や設置場所によって異なるため、あくまで「参考レビュー」という前提でお読みください。
明るい場所での投影

投影場所はリビングの壁紙に約120インチで投影しています。
日中や照明を全灯した状態では、コントラストがやや低下し、黒が少し浮いて見えるものの、 X-Master RGB 3色レーザーエンジンの発色がしっかり効いていて、色の『濃さ』は十分に残っています。
YouTube・アニメ・スポーツなどをテレビ感覚でのカジュアルな視聴をするのであれば、楽しめるレベル。

明るい環境

薄暗い環境

暗い環境
ただ、映画の暗いシーンや、画の奥行きをじっくり感じたい場合は、スクリーンに近い側のカーテンを少しだけ閉めるだけでもコントラストがグッと改善され、没入感が一気に高まる印象です。
やや明るい場所での投影

日中に投影面側のカーテンを軽く閉めた状態や、夜に間接照明をつけたままのような ある程度の環境光があるシーンでも、映像が白っぽくならず、明るさと色の鮮やかさをしっかりキープできます。
この程度の明るさであれば、HORIZON 20 Proは「テレビ代わり」に日常使いできるレベルの印象です。
普段のYouTubeやアニメ、スポーツ観戦はもちろん、夜には間接照明をつけたままでも映画をゆったり楽しめます。
暗室での投影

部屋を真っ暗にすると、空間が一気に『シアタールーム』へと変貌します。
青の深みはより一層沈み込み、グラデーションは空気ごと染め上げるように広がっていく。
レーザー光源ならではの、光の拡散が少ない特性によって、映像の輪郭はパキッと立ち上がり、まるで空間全体が映像に包み込まれるような没入感を得られます。
画質レビュー:色域・コントラスト・シャープネス
HORIZON 20 Proは、XGIMI独自の「X-Master RGB 3色レーザーエンジン」を搭載しています。

画像出典元 : XGIMI公式サイト
色再現性を示すΔE(デルタE)は0.8。
一般的にΔEが1以下だと『人の目ではほぼ誤差を感じないレベル』とされており、つまり『見たままの色を、そのまま投影できるほど正確』ということです。
そして、4K画質の解像度の高さと相まって、大画面で見てもキメの細かい映像を楽しむことができます。
3色 RGBレーザー光源の鮮やかさ

フルーツのシーンでは、りんごの赤、ベビーリーフの緑が濁っておらず、ピュアそのもの。
あたかも目の前で料理している。そんな印象さえ感じてしまいます。

画像出典元 : XGIMI公式サイト
色域の観点でも優秀です。HORIZON 20 ProはBT.2020を110%カバーする広色域を実現し、肉眼に近い自然な色彩を再現します。
| 色域 | 特徴 |
| sRGB / Rec.709 | 一般的なディスプレイやテレビ、ウェブコンテンツ、YouTube(非HDR)、Blu-rayなどで使われる標準的な色域。もっとも一般的な映像基準。 |
| DCI-P3 | 映画館やHDR映像、4K UHD Blu-ray、YouTube(HDR)などで採用される広色域規格。sRGBより約25%広く、より鮮やかで深みのある発色が特徴。 |
| BT.2020(Rec.2020) | 4K/8K放送などの最新映像規格で、人間の目が識別できる色域に非常に近い広範囲をカバー。理論上は自然界の色のほぼすべてを再現可能。 |
赤・緑・青をそれぞれ単一のレーザー光で直接生成するため、色の『純度』と『透明感』が非常に高い。
発色も不自然な強調がなく、とてもナチュラル。
このあたりは RGB 3色レーザー光源ならではの強み がしっかりと感じられる部分だと思います。
コントラスト(暗部・ハイライトの階調)

コントラストについては、4,100 ISO ルーメンの高輝度と20,000:1 (DBLE オン)の高コントラスト比を両立しており、黒と白のメリハリがしっかりと表現されています。

たとえば、太陽が差し込むシーンでは、まぶしい光の中にも微妙な明るさの階調(グラデーション)がしっかり描かれ、コントラストの高さを感じ取ることができます。
ただし、そのポテンシャルを最大限に味わうには、部屋をしっかり暗くしたシアター環境が理想。
そうした条件下では、まさに『文句なし』の映像が得られると感じました。
4K画質のシャープネス

人物の映像では肌のきめ細かさや輪郭のシャープさが際立ち、輪郭の再現力もしっかり。
さらにHORIZON 20 Proは、4K解像度に加えて光学ズームを搭載。
先述した通り、光学ズームとは、プロジェクター内部のレンズ群が実際に動いて被写体を拡大する方式。
ソフトウェア的に画像をトリミング・拡大補間するデジタルズームとは異なり、拡大してもシャープネスが落ちず、画質の劣化がないのが特長です。

アニメは輪郭が甘いとぼやけて見えがちですが、HORIZON 20 Proでは線のにじみが少なく、非常にくっきりとした描写が得られます。
結論として、HORIZON 20 Proは4Kの色鮮やかさ・コントラスト・解像度を最大限に活かし、「映像を見る」というより “映像に包まれる” ような没入感を味わえるプロジェクターだと感じました。
Nintendo Switch / PS5 / PCで実際にプレイして遅延を検証
HORIZON 20 Proは、最大 1 msの低遅延かつ、画面の滑らかさを示すリフレッシュレートは 1080p 時で最大 240 Hzと、ゲームに特化した性能をもっています。
性能を試すべく、
- Nintendo Switch 2 (1080p・60 Hz)
- PS5 (4K・60 Hz)
- PC (1080p・240 Hz)
で、さまざまなジャンルのゲームを試してみました。
Nintendo Switch 2『マリオカート ワールド』

まずは『マリオカート ワールド』から。
結論からいうとめちゃくちゃ楽しい!!!
100インチ超の大画面でみんなで遊べる楽しさは格別で、プレイ画面をみんなで共有できるのでとても盛り上がります。
そして画面が大きいと、コース全体の見通しが良くてとにかく走りやすいです。
遅延については体感できず、1080p・60 Hz の環境では、入力遅延わずか2.2msで、操作していて「押してから動くまでの違和感」はまったくなし。
Nintendo Switch 2の有機EL画面と比べると黒の締まりはさすがに負けますが、レーザー光源の明るさと発色のおかげで映像はかなり元気。
キャラクターの動きもハッキリ見えて、レースゲームでもしっかり勝負できます。
PS5『Ghost of Yōtei』

繊細なグラフィックと壮大な世界観を持つ『Ghost of Tsushima』の続編、『Ghost of Yōtei』。
舞台は1603年の蝦夷地です。
HORIZON 20でプレイしているレビュアーさんも多いですが、やはりこのゲームは映像描写がずば抜けて美しく、プロジェクター映えするタイトルだと改めて感じます。

写真は100インチのスクリーンに投影しています。
描写力ハンパない。没入感ハンパない。
100インチ超える大画面だと、没入感が非常に高くなってきますので、目というより身体で映像を感じる。空気感を感じるレベル。

HORIZON 20 Proは、ALLM(自動低遅延モード)に対応しており、ゲーム機を接続すると自動で低遅延モードに切り替わります。
ボタン操作がそのまま画面に反映されるため、入力遅延を気にせずプレイできます。
さらにVRR(可変リフレッシュレート)にも対応。
映像のリフレッシュレートをゲーム機と同期させることで、カクつきやチラつきを抑え、滑らかに動作します。
これらの機能は設定メニューで常時オンにしておくと、より快適なゲーム環境を維持できます。
なお、4K画質でのプレイ時は 60Hz 動作・入力遅延はわずか 3ms。
アクション要素の多いタイトルでも、ボタンを押した瞬間にキャラが動く感覚が得られ、操作レスポンスへの不満は一切ありませんでした。

暗いシーンでも高コントラストがしっかり効き、夜空や山の輪郭に奥行きが感じられる描写
こういった月光の差し込むシーンでも、20,000:1 (DBLE オン) の高コントラスト比によって明暗の境界が美しく際立ちます。
ただ明るいだけでなく、明るさと暗さの中にそれぞれ豊かな階調(グラデーション)が存在するため、 映像全体に奥行きと立体感が生まれています。
このあたりはコンテンツによって映像表現が変わりますが、HORIZON 20 Proで『Ghost of Yōtei』をプレイしたときは、映像の空気感と没入感が、まさにモニター環境とは別次元でした。
PCハンコン『Assetto Corsa』

最後は『Assetto Corsa(アセットコルサ)』。
リアル志向のレーシングシミュレーターとして知られるこのタイトルでは、ハンドル操作・ブレーキング・シフトタイミングなど、わずかな遅延でも挙動が変わってしまうほどの精度が求められます。
「部屋のど真ん中にコックピットを置く人は、そう多くないかもしれませんが……」
どうしてもやってみたかったので、思い切ってコックピットを部屋の中央に移動してプレイしてみました。
プロジェクターは、コックピットをスクリーンにできるだけ近づけられるように部屋の右側へ配置(天井吊りならもっと自由度高そうです)。
スクリーンフィット機能を使って、ちょうど100インチにピッタリ合わせています。

そして――
『おおおおおぉぉ、めっちゃ普通にドリフトできる!』
ステアリングの切れ味は驚くほどダイレクトで、コーナー進入時のブレーキングタイミングも、普段モニターで操作しているときとまったく変わりません。
視界が広がる分、ライン取りの見通しがよくなり、違和感なくレースに没頭できました。

さらに、最大 240Hz 対応のリフレッシュレートによって、路面や車体の挙動が実写のようになめらかに描写されます。
時速 250km/h のスピードレンジで走り抜けても、映像のカクつきは一切なし。
このあたりはPCスペックやゲーム内設定にも左右されますが、HORIZON 20 Pro自体が高リフレッシュレートに対応していることで、映像側のボトルネックを感じることなく、安定した滑らかさを保てている印象でした。

画面が大きいせいかスピード感がしっかり味わえます
なお、240 Hz が有効なのは 1080p 時のみ。
4Kのマルチモニター環境やウルトラワイドのような『精細さ』や『視界の包囲感』は控えめですが、圧迫感のない大画面で視界を開けたまま没入できるのはプロジェクターならではの新鮮さでした。
音質
オリジナルムービーのシネマスタイルでの比較
HORIZON 20 Proには、harman/kardon製 12W×2基のスピーカーを搭載。
このクラスのモバイルプロジェクターとしては、十分な出力を備えています。
実際に音を聴いてみると、音量を上げていくにつれて低音・中音・高音のバランスがきれいに整い、部屋全体をふわっと包み込むような響きが広がります。
8畳ほどの部屋では、音量レベル35前後から映画館のような臨場感を体で感じられる印象でした。
また、デフォルトの標準サウンドモードでも中音域のクリアさが際立っており、夜間など音量を抑えたいシーンでもセリフがしっかり聞き取れます。

個人的には、ポン置き(本体のみ)で使うプロジェクターとしては音質も十分に満足できるレベルです。
自分の斜め後ろに設置しても、そうした置き方を前提に設計されているため、包まれるようなサラウンド感はしっかり味わえます。
ただし「音の定位感」や「前方から包み込まれるような没入型サウンド」を求める場合は、サウンドバーやAVアンプ+スピーカーを組み合わせるのがおすすめ。
HORIZON 20 ProはeARC対応HDMIポートを搭載しているので、対応スピーカーと接続することで映画館クラスの立体音響まで拡張できます。
サウンドモードとカスタマイズ性

サウンド設定は、標準/映画/スポーツ/ゲーム/ユーザー/DTS-VXの6種類から選択可能。
特にDTS-VXモードでは、天井スピーカーがなくても仮想的な3Dサラウンド効果が得られ、
Dolby Atmosほどの広がりではないものの、音に立体感と奥行きが加わるため、 映画やライブ映像などのシネマコンテンツで没入感が高まります。
さらにユーザー設定では、イコライザーで各周波数を調整可能。

自分好みに追い込みたい人は細かくカスタマイズできますし、「設定を触らずに楽しみたい」という人でも、標準設定のままで十分に迫力あるサウンドを味わえます。
使い勝手と操作性をチェック
ファンの音の大きさ

HORIZON 20 Proのファン騒音を実測してみました。
室温19℃の環境で、本体から約10cmの距離に計測器を設置して測定したところ、実測値はおよそ40dB。
静かな環境では「スーッ」と空気の流れる音がわずかに聞こえる程度で、 映像や音楽を再生している最中はほとんど気にならないレベルです。

気温や、明るいシーンが長く続くコンテンツによっては、一時的にファンがしっかり回ることがありますが、本体背面には吸気口、下部には排気口が配置されており、内部の熱を効率よく逃がす構造になっているため、冷却性能は十分。
夏場など室温が30℃を超える環境でも、エアコンを併用すればファン音は比較的抑えられ、快適に使える印象です。
OSはGoogle TV

HORIZON 20 ProのOSには、動画視聴に特化した「Google TV」を搭載しています。
Google TVのおすすめ(レコメンド)機能は、Googleアカウントに紐づいています。
自分の視聴履歴や検索履歴、YouTubeの再生履歴などをもとに、AIが自分好みのコンテンツを自動で表示してくれる仕組みです。使えば使うほど学習が進み、『おすすめ』の精度も高くなっていくのが特徴です。
また、音声アシスタントにも対応しており、「アクション映画を探して」「ドラマを再生して」といった音声操作での検索・再生・一時停止も可能。
小さな子どもでも、直感的に使えるのが魅力です。
まとめ
HORIZON 20 Proは、「映像美・ゲーム性能・日常使い」すべてを高次元で両立した一台です。
4,100 ISOルーメン × RGB 3色レーザーの映像は圧巻で、鮮やかな色と深いコントラストで描かれる映像は、まさに“自宅シアター級”。
今までなんとなく観ていたコンテンツがまるで別物に感じられ、家で過ごす時間そのものが、なにより楽しくなります。
さらに、最大1msの低遅延・240 Hz対応というゲーミング性能も強力。
『Ghost of Yōtei』で見せた繊細でシャープな画質、 草木の色あざやかさ、そしてharman/kardon製スピーカーの臨場感が一体となり、 まるで画面の中に入り込んだような没入感を味わえました。
PS5やPCでのプレイでも遅延を感じることはなく、アクションやレーシング系タイトルも思いきりプレイに集中できます。
価格は確かに高めですが、この画質・大画面サイズ・ゲームにも対応する低遅延性能を備えたテレビを購入することを考えると、むしろコスパは高いと感じます。
忖度なしに言うと、「映像もゲームも一切妥協したくない人」にこそ試してほしいプロジェクターです。



