本記事は、鹿島建設株式会社より機材提供を受け、レビューしたものです
今までにないサウンド体験ですよ。これは。
りくガジェのりくぴいです。@rikupii_gadget
今回紹介するのは、鹿島建設が開発したスピーカー 「OPSODIS 1」。
ゼネコンがスピーカー?と思うかもしれませんが、これ、ただのオーディオ製品じゃありません。
音を聴くではなく、【空間を体験する】スピーカー
クラウドファンディングでは、9億円超え・目標の928倍という異次元の支持を獲得。
意味わかんないくらいの勢いで注目されている製品というわけ。
実際に使ってみると、正直これは「音がいい」というより、体験そのものが別物。
ただし、向き不向きもかなりハッキリしていますので、当記事では、リアルな使用感を正直にレビューしていきます。
現在、OPSODIS 1は公式サイト限定で販売されています。在庫状況や最新情報については、公式サイトをご確認ください。
動画でも詳しくレビューしています↓↓↓
OPSODIS 1 スペック
| 製品名 | OPSODIS 1 |
|---|---|
| チャンネル数 | 2チャンネル |
| 対応音声フォーマット | リニアPCM |
| スピーカー構成 | 50mmウーファー x 2 25mmミッドー x 2 20mmツイーター x 2 パッシブラジエーター (57mm x 84mm) x 2 |
| 周波数特性 | 55Hz~20kHz (-6dB) |
| 待機消費電力 | 入力:AC100~240V(50Hz/60Hz) 出力:DC16V 4A |
| 電源部/AC電源アダプター | 入力:AC100~240V(50Hz/60Hz) 出力:DC16V 4A |
| 待機消費電力 | 0.5W以下 |
| 入力関連 | Bluetooth (SBC/AAC) USB-C 光デジタル アナログ3.5mm |
| Bluetooth | Bluetoothバージョン 5.0 |
| 付属品 | 電源ACアダプター 取扱説明書 |
| 寸法 | 外形寸法(幅×高さ×奥行) 382mm x 80mm(ゴム足10mm含む)x 130mm |
| 重量 | 重さ:2.3kg |
| 価格 | 132,000円(税込み) |
なぜ鹿島建設がスピーカーをつくったのか
鹿島建設が手がけてきた音楽ホールの実績

画像引用:鹿島建設「OPSODIS 1 公式サイト」より
鹿島建設といえば、大手ゼネコンですが、実は音響分野でも強い実績を持っています。
これまでに、
- サントリーホール
- ヤマハホール
- Kアリーナ横浜
など、数多くの音楽ホールを建設してきました。
音楽ホールは、完成してから「音が悪い」では済まされない世界です。
そのため、
- 振動や雑音を抑える構造
- 音の反射や響きをコントロールする設計
- 空間全体の音の広がり
といった要素を、設計段階から徹底的に作り込んでいます。
その中で生まれたのが、音の響きを事前に再現する音響技術「OPSODIS」
本来は、「このホールで音がどう響くか」を再現するための技術ですが、これを応用することで、自宅でも“立体的な音の空間”を再現できるスピーカーとして誕生したのが、OPSODIS 1 です。
音質レビュー|フラットで高解像度なバランス型サウンド
まずは音質からチェックしていきます。
このスピーカーは、視聴する距離や角度によって立体感の再現性が変わるのが大きな特徴。

そこで今回は、最も立体効果が高く感じられる条件として、
- スピーカー正面から約60度の位置
- 視聴距離は約60cm
このセッティングで検証しました。
デスクの上に設置すると、ちょうど『音に包まれるポジション』にハマるイメージですね。
まず音質ですが、全体としてはフラット寄りのチューニングです。
小気味よい低音をベースにしながら、高音は解像度が非常に高く、中音域は密度がしっかりと詰まっています。
いわゆるド派手な音ではなく、音の“細かさ”と“存在感”で聴かせてくるタイプ。
細かい音までしっかりと描写されるので、今まで埋もれていた音が一気に浮き上がってくるような感覚があります。

低音・中音・高音それぞれの分離感も非常に良く、帯域ごとにしっかりと独立しています。
このあたりは3Way構成の強みがしっかり活きていて、音が混ざらず、立体的に展開される印象。

低音については、両サイドのパッシブラジエーターがしっかり効いており、重低音で押すタイプではないものの、サイズを考えると十分な量感があります。
ドンッと響かせるというよりは、全体を自然に下支えするような低音で、バランスはかなり良好といえますね。
音の傾向としてはドンシャリ感は控えめで、映画でも音楽でも違和感なく入り込めるサウンドで、ジャンルを選ばず、長時間でも聴きやすいチューニングです。
また、筐体の作りも音質にしっかり貢献しています。
本体は5mm厚のアルミ押し出し成形で剛性が高く、余計な振動が出にくいため、その分音のディテールもクリアに表現されています。
コンパクトながらもスピーカーの性能をしっかり引き出す、基本設計の良さが感じられる仕上がりです。
音の聞こえ方|空間が再現される立体音響の正体
バイノーラル音源

まずは、バイノーラル音源からチェックしました。
バイノーラル音源というのは、イヤホンやヘッドホンで聴くと、音が前後左右に広がり、立体的に聞こえる録音方式のことです。
街のざわめきや人の声が入り混じるような環境音が空間を作り出し、効果音の動きもかなりリアル。
で、ここがポイントなんですが──音の定位が、画面上の動きに合わせてスッと移動していくんですよね。
しかも、左右の耳で音が混ざるような違和感がほとんどなくて、クリアな音場が頭の周りをぐるっと回るような感覚。
「あ、今ここ通ったな」って分かるレベルです。
これ、普通はヘッドホンじゃないと難しいんですが、スピーカーでここまで再現できるのは、正直かなり驚きました。
映画

実際に映像を流してみると、車が走り抜ける音や、森の中の鳥のさえずり、風の音、トンネル内の反響音、サイレンを鳴らしながら近づいてくるパトカーの音まで、かなり“その場にいる感覚”で体験できます。
単純に音がいいというよりも、映像の中に自分が入り込むような感覚で、『その場にいる』レベルの没入感が、普通のスピーカーとは一線を画しています。
ちなみに、流している映像はバイノーラル録音ではないんですが、それでもここまで立体的に感じられるのは正直驚きです。
ゲーム

せっかくなので、この流れでFPSゲームも試してみました。
FPSは厳密には立体音響コンテンツではないんですが、立体感の恩恵を一番感じやすいジャンルです。
普段はヘッドホンでプレイしていますが、このスピーカーの場合、ヘッドホンなしでも『その場にいる感覚』がしっかり出ます。
足音が近づいてくる感じや、遠ざかっていく距離感も分かりやすく、方向についても「あ、こっちだ」と自然に把握できる感覚があります。
定位を『考える』のではなく、『感覚で分かる』という印象です。
ヘッドホンなしでここまで再現できるのは、正直かなり不思議な体験です。
さらに、RPGのようなゲームでも印象は大きく変わります。町のざわめきや環境音、風の流れ、戦闘中の臨場感など、音の広がりや空間の感じ方が一段階上がる印象です。
没入感を底上げして、ゲーム体験そのものを変えてくれる感覚があり、『音を良くするスピーカー』というより、『体験を変えるスピーカー』という表現がしっくりきます。
一般的なスピーカーとの違い|音ではなく“空間”で聴かせる

画像引用:鹿島建設「OPSODIS 1 公式サイト」の内容をもとに筆者作成
じゃあ、普通のスピーカーと何が違うのか。
ここはかなり重要なので、できるだけ分かりやすく解説します。
まず、人の耳は「音がどこから来ているか」を、左右の耳に届く時間差や音の違いで判断しています。
例えば、右側から音が来た場合、右耳に少し早く音が届きますが、このわずかな差をもとに、「音は右から来ている」と認識しています。
ただし、普通のスピーカーで聴くと
- 左の音が右耳にも届く
- 右の音が左耳にも届く
いわゆる、音が混ざる状態(クロストーク)になります。
この影響で、音の位置はどうしても曖昧になり、「なんとなくこの辺」というレベルにとどまってしまいます。
一方で、このOPSODIS 1はここが大きく違います。
「クロストークキャンセル」という技術を採用しており、左右の耳に届く音を、意図的にコントロール。
具体的には、
- 左耳に届けたい音は左耳にだけ
- 右耳に届けたい音は右耳にだけ
普通のスピーカーが「音を鳴らす」ことにフォーカスしているのに対して、OPSODISは「耳にどう届くか」まで設計されています。
この違いによって、音は混ざらず、位置がハッキリと認識できるようになり、結果として立体的な音場が成立します。

中央にツイーターを置き、外側に向かってウーファーを配置するのも、音質をより制御しやすくするものであります。
また、立体音響データベースっていうんですけれども、3Dオーディオ再生における莫大な実験データを使うことで、バイノーラル音源だけじゃなく、ステレオ音楽、5.1ch、7.1ch、さらには22.2chの音響放送までも、前方のスピーカーのみで対応できるものとなっています。
バイノーラル原理自体は1960年代に発表されたものなんですが、OPSODISはさきほど紹介した仕組みでバイノーラル原理を世界で初めて実用化したシステムだといえます。
デザイン・入力端子|シンプルで使いやすい実用設計


OPSODIS 1のサイズはかなりコンパクトで、デスクにも自然に収まるサイズ感です。
実際に32インチモニターの下に置いてみても圧迫感はなく、24インチモニターと組み合わせてもデスク上で邪魔になる印象はありません。


本体サイズは幅382mm × 高さ80mm(ゴム足含む) × 奥行き130mm。
重量は約2.3kg。サウンドバーよりもややコンパクトで、重さは2リットルのペットボトルと同等な感覚です。さすがに常時持ち運ぶ用途には向きませんが、部屋間の移動やデスクからテレビへの持ち運びであれば、気軽に扱えるレベル。

本体はアルミ製で、表面にはヘアライン加工が施されています。
マットな質感で安っぽさはなく、全体的に高級感のある仕上がりです。

上面には操作ボタンがまとまっており、電源、入力切替、サウンド設定、音量調整といった基本操作はすべて本体だけで完結します。

サウンドモードは3種類から選択できます。
- Narrow(近距離向け)
- Wide(広がり重視)
- Simulated Stereo(ステレオ再生)
用途や視聴距離に応じて切り替えられるので、シーンに合わせた使い分けが可能です。

入力端子は、光デジタル、アナログ3.5mm、USB-Cに対応。Bluetooth接続にも対応しているため、スマホやPCなど幅広いデバイスで手軽に使えます。
スピーカー距離別レビュー|距離で変わる立体感の違い
先ほどはデスク環境で検証しましたが、こういう立体音響はやっぱり大画面で体験したくなりますよね。
ということで今回は、リビングでプロジェクターを使いながら、スピーカーとの距離によって音の感じ方がどう変わるのかを検証していきます。
距離60cm|最も立体感を感じられるベストポジション

このスピーカーはコンパクトなので、ソファ前のテーブルに置いても違和感のないサイズ感です。
視聴距離は約60cm。この距離で120インチの大画面と組み合わせると、立体音響との相乗効果で没入感は一気に引き上がります。
モバイルプロジェクターは手軽さが魅力ですが、音が弱くなりがちなのがネック。ただ、このスピーカーを組み合わせるだけで、その印象は大きく変わります。
『ただ見るから入り込む』へ。体験そのものが変わる感覚です。
距離1.5m|立体感と広がりのバランスがいい距離

次は、投影面からおよそ1.5mの位置で検証していきます。。
サウンドモードも切り替えて試してみましたが、この距離ではWideモードの方が印象的でした。立体感はやや控えめになるものの、音場が横方向に広がり、リビング全体に音が広がるような聞こえ方になります。
さきほどの“包まれる感覚”とは違い、より自然で空間に馴染むサウンドに変化するのが面白いポイントです。
OPSODIS 1は、デスク環境のような『スピーカーのすぐ近くで聴く』環境で最大の効果を発揮する設計ですが、1.5m程度離れても立体感はしっかりと残っています。
先ほどの60cmと比較すると、立体感の強さはややマイルドになりますが、空間表現としては十分に成立しており、正直なところ想像以上の仕上がりです。
距離2.6m|立体感はどこまで通用する?

最後に、視聴距離2.6m程度での検証です。
イメージとしては、8畳の部屋でソファを壁際に置くような距離感になります。
正直、この距離になると厳しいかなと思っていたんですが、意外にも立体感はしっかりと残っています。
距離が離れるにつれて急に効果が消えるというよりは、徐々にマイルドになっていく印象です。
このあたりは好みにもよりますが、いい意味で自然な立体感に落ち着くため、普段使いでも違和感なく使えるバランスです。

ただし、個人的に言うと、やはり一番“おいしい”のは約60cm前後の距離という印象。
このポジションでは立体感が最も強く、OPSODIS 1の性能を最大限に体感できます。
とはいえ、サウンドモードの切り替えによって音場の広がりを調整できるため、
- 普段はテレビ下に設置して自然な音で楽しむ
- 映画やライブ視聴時は手前に移動して没入感を高める
といった使い分けも可能です。
シーンに応じて『体験の濃さ』を変えられるのも、このスピーカーの面白さだと感じました。
気になった点|HDMI(eARC)があればさらに便利だった

基本的には問題ないんですが、1点だけ気になるところがあります。
OPSODIS 1の気になった点としては、HDMI端子が非搭載であることです。
Bluetoothはもちろん、光デジタル、USB-C、AUXといった入力には対応しているため、実用上は特に不満を感じることはありません。
ただ、ここまで立体音響の完成度が高いと、HDMI eARCでデジタル音声をしっかり入力した場合に、どこまで表現できるのかは気になるところです。
最近では手軽なホームプロジェクターでもHDMI eARC対応モデルが増えてきていることもあり、今後の上位モデルでこのあたりに対応してくると、さらに完成度の高い製品になりそうです。
向いている人・向いていない人|体験ベースで正直レビュー
実際にしばらく使ってみて、OPSODIS 1が向いている人・向いていない人がかなりイメージできたので、体験ベースでまとめていきます。
こんな人におすすめ|小音量でも没入感を楽しみたい人

まずおすすめなのは、気軽に立体音響を楽しみたい人です。
私の場合、天井補強や電動スクリーン用のコンセント、プロジェクター用の電源やHDMI配線などを整えてシアター環境を作っていますが、現在は猫と生活しているため、大きな音を出しにくい状況です。

そんな環境でも、OPSODIS 1であれば音量を上げなくても没入感をしっかり得ることができます。
大きな音を出せない環境でも、しっかり映画に入り込みたい人にはかなり相性がいいと感じました。
こんな人には向かないかも|音のパワーや個性を重視したい人

一方で、向いていないかもと感じる人もいます。
プリメインアンプを使って、音のパワー感やスピーカーごとの個性をしっかり楽しみたい人には、少し方向性が異なるかもしれません。
OPSODIS 1は出力20Wで、音のバランスは非常に良く、フラットで聴きやすいチューニングです。個人的には十分な性能ですが、このあたりは好みが分かれるポイントです。
すべての人にハマるタイプではない、というのが正直な印象です。
ただし、このスピーカーのコンセプトは、誰でも気軽に立体音響で没入感を高められることにあります。
その視点で考えると、このチューニングも非常に納得感のある仕上がりです。
まとめ|『音ではなく体験』を変えるスピーカー

総評として、OPSODIS 1は音質を追い込むタイプのスピーカーというより、『体験そのものを変えるスピーカー』です。
ベストポジションや音の傾向など、人を選ぶ部分はあるものの、その分ハマったときの没入感は、普通のスピーカーとは明らかに別物といえます。
特に、
- デスク環境で使いたい人
- 音量を上げにくい環境の人
- 小音量でもしっかり没入したい人
こういった方には、かなり相性のいい製品です。
“音を良くする”のではなく、“体験を変える”。
正直、これは一度体験してほしいタイプのスピーカーです。
動画でも詳しくレビューしています↓↓↓
