本記事は、テックウインド株式会社様より製品をご提供いただきましたが、これまで10脚以上のゲーミングチェアを組み立て・使用してきた経験をもとに、公平かつ正直な視点でレビューしています。
2025年5月30日(金)、AKRacingから久々の新モデルゲーミングチェア「Eclair(エクレール)」が発売されました。
やわらかな印象のデザインと、からだにやさしくフィットする座り心地が特徴の1脚で、ミドルレンジモデルながら47,800円(税込)という手に取りやすい価格も魅力です。
AKRacingファンはもちろん、「初めてのゲーミングチェアを探している」という方にも注目のモデル。
「ゲーミングチェア=ゴツい」
というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、この《Eclair》シリーズは、いい意味でその印象をくつがえします。
やわらかく、丸みのあるデザイン。
ふんわり包まれるような座り心地。
今回は、そんな《Eclair》を実際に使って感じた【デザイン・座り心地・サイズ感】をしっかりレビューしていきます!
AKRacing Eclairの基本スペック・サイズ感・カラバリまとめ

モデル | ![]() Eclair |
---|---|
椅子の高さ | 123.5cm~131cm |
座面幅 | 39cm |
座面奥行 | 53.5cm |
座面高さの調節幅 | 30.5cm~38cm |
地面からのアームレスト高さ | 59cm~73cm |
背もたれ高さ | 93cm |
脚部(ベース)最大幅 | 67cm |
荷重制限 | 150Kg |
本体重量 | 25Kg |
梱包時の重量 | 27.25kg |
箱の寸法 | 88.5 × 68 × 39㎝ *(W) x (D) x (H) |
価格 | 47,800円(税込) |
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AKRacing Eclairシリーズは、通常ラインナップとしては久々に登場した新モデルです。
明るいホワイトの張地にまず目を引かれますが、注目すべき大きな特徴は、30.5cm〜という座面高さの調節幅にあります。
この調整幅は、ティーンズ向けモデルである『PINON』に近い仕様でありながら、座面や背もたれは広めに設計されており、小柄な方から比較的大柄な体格の方まで、幅広くフィットするのが特徴。
座り心地や足つきのよさについては後述しますが、身長164cmの私が実際に座って感じたのは、足裏がしっかり床につくことによる安定感と安心感でした。
Eclairのカラーバリエーションは、ホワイトとブラックをベースに、オレンジ・ブルー・グリーン・ピンクの4色の差し色を組み合わせた全4色展開。

AKRacing公式サイトから引用
壁紙やデスクとも合わせやすいナチュラルな配色で、ゲーミングチェアらしさをほどよく残しつつ、よりカジュアルに使えるデザインに仕上がっています。
【初心者でも安心】Eclairの組み立てはどれくらい簡単?実際に試してみた

ゲーミングチェアの組み立てには大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは、ある程度パーツが組み上がった状態で届き、最後に組み合わせるだけの「ほぼ完成品タイプ」。
もうひとつは、細かいパーツからすべて自分で組み立てていく「フル組み立てタイプ」です。
※あくまで公式な分類ではありませんが、これまでに10脚以上組み立ててきた経験から、ざっくりこの2タイプに分かれる印象。
価格面でいえば、多少手間はかかるものの後者の「フル組み立てタイプ」のほうが比較的お得な傾向があります。
いっぽう、AKRacingは前者の“ほぼ完成品タイプ”。
細かい部品はすでに取り付け済みで届くので、個人的には「組み立てる」というより「合体させる」くらいの感覚でサクッと進められる印象です。

搬入場所はスペースの確保をしておくと◎
ゲーミングチェアは、メーカー問わず箱が大きく届くもの。
もし設置場所が玄関からすぐなら、箱のまま運ぶのもアリですが、
たとえば2階に運ぶなら、一旦玄関で箱を開けてパーツごとに運ぶほうが圧倒的にラクです。

【恒例】ねこ様の段ボールチェック
段ボールのサイズは、88×68×38cmで、総重量は約27kgです。

組み立てを始める前に、まずは組み立てマニュアルに書かれている部品がきちんと揃っているかチェックしましょう。
Eclairはアームレストが最初から座面に取り付け済みなので、パーツの数は少なめ。確認もラクラクです。

梱包されている段ボール内の白い緩衝材を床に敷くと、床・チェアの傷防止に効果的です。

まずは背もたれの左右各4か所にあるボルトを、レンチで緩めて取り外しましょう。
その後、座面の側面に貼られているシールも忘れずに剥がしてください。
このシールをそのままにしておくと、後から取り付けるサイドカバー用のボルトが締めにくくなるので注意が必要です。

座面と背もたれの位置を合わせたら、まずは4本のボルトを仮締め(締め始め程度)します。
全部仮締めできたら、次に1本ずつ確実に本締めしてください。

左右のサイドカバーを、付属の黒いネジで取り付けましょう。
付属ボルトは少ないので、探す手間もなくスムーズです。

続いて、プラスチックカバー(左側のみ)を取り付けます。
サイドカバーやプラスチックカバーを締めるときに注意すべきは、『締めすぎないこと』です。
ボルトをギュッと締めすぎると、カバーが割れる可能性があるため、軽く締める程度に留めてください。

写真のようにチェアをひっくり返し、4か所のボルトを取り外します。

座面の前側と後ろ側ではボルトの長さが異なるので、取り付け時に間違えないように、写真のようにボルトを並べて区分けしておくのがベストです。

シリンダー固定台の取り付け向きに注意し、先ほど外したボルトでまず4か所を仮締めします。
全部仮締めできたら、1本ずつしっかり本締めしてください。

ガスシリンダーにカバーをかぶせます。

ガスシリンダーの細い方を、固定台の穴にしっかり差し込みましょう。
正しく固定されると、昇降レバーが軽く持ち上がるので、しっかり差さっているか確認できます。

5本足ベースにキャスターを5個取り付けます。
写真のように両手でしっかり持ちながらキャスターを押し込むと、簡単&安定して装着できます。

キャスターを取り付けた5本足ベースをガスシリンダーに差し込みます。

背もたれ上部と5本足ベースをしっかり持ってチェアを引き上げてください。

ランバーサポートは、背もたれ上部の穴と座面のスキマにベルトを通し、バックルを留めるだけで取り付け完了です。
撮影も含めて約30分で組み立てられました。パーツが少なく、女性一人でもサクッと完成できるレベルです。
なお、AKRacing公式サイトでは組み立て済みモデルを購入することも可能で、届いたらすぐ使いたいという場合に便利です。
AKRacing Eclair レビュー!デスクにもなじむおしゃれゲーミングチェアの実力とは?

ゲーミングチェアといえば、「大きくてゴツい」というイメージがありましたが、Eclairはホワイトを基調としたナチュラルな印象。
カタチこそしっかり“ゲーミングチェアらしい”のですが、同じフォルムでもカラーが違うだけで、印象がガラッと変わりますね。

私の部屋は白を基調にしているのですが、Eclairのホワイトベースのカラーがとてもよくなじみます。
上記モデルのようなパキッとしたかっこよい原色の差し色とは対照的に、Eclairはパステルカラーの差し色。
白い壁紙とのコントラストも柔らかくマッチしてくれる印象です。

座面はブラックに統一されており、ホワイトとの対比で全体に引き締まった印象があります。
背もたれや全体のフォルムは軽やかな印象ですが、黒い座面がどっしりと安定感を演出してくれるほか、座面が白ではないことで、汚れが目立ちにくい点もうれしいポイント。
もちろん、定期的な張地のメンテナンスは必要ですが、黒い座面なら汚れをそこまで気にせず使えるので、日常使いでも安心感があります。
Eclairの座り心地は?硬すぎず柔らかすぎない絶妙バランス!

座り心地というのは、チェアブランドごとに“思想”が色濃く出るポイントです。
たとえば、しっかり硬めの座面で姿勢をキープさせるものもあれば、ウレタンに“もっちり感”を持たせて、包み込むような座り心地を追求しているものもあります。

私は平日は5時間、休日は12時間ほど、デスクでブログ記事の執筆やYouTube動画の編集を行っています。
AKRacingのチェアもモデルによって座り心地が異なりますが、Eclairに長時間座って感じた第一印象は、「集中力が途切れない快適性の高さ」です。
特に優れているのが、ウレタンフォームの体圧分散性能と復元力のバランス。
10cmの標準的な厚みながら、座面が適度に沈み込んだ後には、しっかりと反発力が働いて荷重を支える構造になっています。
そのため、骨盤が後傾せずに腰を立てた状態を自然に維持でき、前傾姿勢でも姿勢が安定するのが特徴。
チェアによってウレタンの密度や硬度特性に差が大きいなか、Eclairは「柔らかすぎず・硬すぎず」という絶妙な塩梅で設計されています。
その結果として、長時間作業時にも腰・太ももまわりへの疲労が、かなり軽減される印象を受けました。

あぐらのしやすさについては、座面の左右にサポートがしっかり立ち上がっている構造のため、やや窮屈に感じる場面もありました。
このあたりはモデルごとの設計や体格による違いが大きいので、可能であれば店舗で実際に座って確かめてみるのがおすすめ。
AKRacingのゲーミングチェアは実店舗に展示されていることも多く、実際に座って座り心地をチェックできるのは嬉しいポイントです。
Eclairの180°リクライニングの快適さ

Eclairの背もたれは、AKRacingらしい“スポーツシート形状”。
人間工学に基づいた設計で、肩まわりまでしっかりとホールドしてくれます。

背もたれのウレタンが薄いと、リクライニング時に背中がふわっと不安定になりがち。でも、Eclairの背もたれは厚めウレタンで安定感バツグン。
座っているときも背中をしっかり支えてくれるし、あたりが柔らかいので自然とリラックスしながら作業可能。
リクライニング時も安心して思い切り背中を預けられるから、くつろぎタイムにも適している背もたれ形状といえます。

リクライニング角度は最大180°対応で、ブランケットをかぶったまま本気で寝られるレベルです。
長時間のデスクワーク中って、1時間に1回は思いっきり背伸びしたくなりますよね。
そんなとき、180°まで倒して背をしっかり伸ばすと、滞っていた血流が一気にスーッと流れるような感覚があって、本当に気持ちいいもの。
こうした『使ってみないと分からない快適さ』は実際体感しないと伝わりにくいですが、個人的には、作業時間が長いほど、180°リクライニングのありがたみが増してくると実感しています。
大判ヘッドレストが超快適!Eclairの枕ライクな使い心地を検証

これまでのAKRacing(PRO-V2やNitro V2など)は、首をしっかり支えるコンパクトなヘッドレストが多かったんですが、Eclairシリーズではちょっと大きめの“大判タイプ”になっています。
この形状はすでに発売されている、阪神タイガースチェアやAKRacing by BEAMS DESIGN モデルと同一なもの。



個人的にはヘッドレストの心地よさは、数あるゲーミングチェアの中でも屈指の快適さ
頸椎をグッと支えるタイプではないものの、首まわりをふんわり全体的に支えてくれるような、やさしい当たり心地。
高さも抑えめなので、リクライニングしたときには枕っぽく使えるのも嬉しいポイントです。
取り付けは、背もたれにバックルで引っかけるか、ゴムバンドを直接ヘッドレストにひっかけて固定です。
高さの調整もラクにできます。
Eclairのランバーサポートを徹底検証!別体式の調整しやすさが魅力!

Eclairのランバーサポートは大判タイプで、骨盤のカーブをしっかり支えてくれる形状です。
座ったあとに、手で自分の腰のカーブに合わせて位置を調整するのですが、私の場合、体調や作業姿勢によってランバーサポートの当てる位置が日によって変わります。

ピンポイントで腰のカーブに当てていける
ランバーサポートが内蔵された背もたれもスタイリッシュでいいのですが、調整のしやすさという点では、手でサッと動かせる“別体式”のほうがカンタンかなという印象です。
クッションはふんわり感の中にしっかりした反発力もあって、体重をかけても腰にやさしく、快適に座れます。
アームレストの調整と質感は?Eclairならマウス操作も快適!

アームレストの位置を最も下げた高さ

アームレストの位置を最も下げた高さ
アームレストの高さは、7段階で自由に調整可能です。

Eclairのアームレストは、実測で長さ約26.3cm × 幅約9.5cm。
高さ調整は7段階から選べる仕様になっており、体格やデスク環境にあわせた微調整ができます。

形状は台形になっていて、実際に腕をあずける部分は幅約7cmほどと、十分な広さ。
また、上面はなだらかに前方に向かって下がる形状になっているのが特徴です。

アームレストをデスク天板より少し高めに調整することで、手首を自然にデスク上へ下ろせるようになり、マウス操作が格段に快適になります。
肘から手首までをしっかりと支えてくれるため、作業時の安定感も高く、長時間の操作でも疲れにくく感じました。
アームレストの高さは人によって好みが分かれるポイントですが、やや高めのポジションが好きな方には特にフィットしやすい設計といえます。

アームレストの素材は、やや弾力のある『ムチッ』とした触感で、腕を置いたときのフィット感も良好。
長時間使用しても不快感がなく、快適に過ごせる仕上がりです。

とはいえ、Eclairはミドルレンジモデルのため、Pro-X V2のような4Dアームレスト(高さ・前後・左右・回転調整)は搭載されていません。
ただし、アームレストは4Dアームレストなどを購入でき自分で交換可能。
カスタマイズ次第でオリジナル仕様のチェアに仕上げることもできます。
Eclairのロッキング機能で後傾リラックス♪

Eclairにはロッキング機能があり、座面下のレバーを使って最大12°まで後ろに傾けることができます(固定はできません)。
ちょっと一息入れたいときに、体をあずけてゆらゆらと揺れると、溜まった疲れがほぐれていくような感覚が◎。
私はよくデスク作業の後にロッキング状態で映画を観ていますが、程よい揺れで気持ちも切り替わってリラックスできます。
姿勢的にも気持ち的にもON/OFFを切り替えられるため、作業からくつろぎタイムまで、幅広いシーンで活躍してくれるチェアだと感じました。
長く使えるEclairの脚まわりを解説

脚部には、AKRacingの他モデルと共通のスチール製レッグフレームが採用されています。
見た目に高級感があるだけでなく、曲げやねじれに対する剛性が高く、安定感のある設計です。
さらに、スチール素材は硬度が高いため、傷や凹みにも強く、長く使っても劣化しにくいのも特長です。
キャスターもPU製となっており、静粛性もしっかりと確保されています。
Eclairのサイズ感を身長別に検証

先ほども少し触れましたが、Eclairの大きな特長のひとつが「足つき性のよさ」です。
座面の高さは30.5~38cmと、AKRacingの中でもかなり低め。
わかりやすく言えば、ティーンズモデル「PINON」とほぼ同等の座面高になっています。

このような低めの設計は、阪神タイガースチェアや「AKRacing by BEAMS DESIGN」など一部のコラボモデルにも共通しており、足つき性への配慮が感じられる設計です。
ここからは、身長164cm・153cmの2人が実際に座ってみて、どのくらい足が床につくかを検証していきます。
身長164cmのサイズ感

座面を最も下げたときの着座イメージ

座面を最も上げたときの着座イメージ
私の身長は164cm。
男性の中では比較的小柄なほうで、普段チェアに座るときは足置き(フットレスト)を使うことが多いです。
ですがEclairでは、座面を一番高くした状態でも足裏がしっかり床にベタッと着きました。
もちろん、フットレストを使えばたいていのチェアで快適に座れますが、素の状態で足がしっかり着くと、やっぱり安心感がありますね。
また、座面幅はPro-X V2と同じく39cmを確保しており、ゆったりとした座り心地です。
さらに、背もたれのホールド感もほどよく、作業しやすい姿勢に自然と導いてくれる点も好印象でした。
身長153cmのサイズ感

座面を最も下げたときの着座イメージ

座面を最も上げたときの着座イメージ
身長153cmの場合、一般的なゲーミングチェアでは足が床に届かず、足置き(フットレスト)が欠かせないことがほとんどです。
しかし、Eclairでは、座面をもっとも低くした状態で、両足がしっかり床につく高さに設定されています。
デスクの高さによってはチェアの高さを少し上げ、足置きを併用したほうがより安定した姿勢がとれることもありますが、 Eclairはもともと座面が低めなので、着座時の安心感や座りやすさにもつながっていると感じました。
まとめ
AKRacing Eclairは、見た目のナチュラルさと、座り心地のちょうどよさが光る1脚。
座面が低めに設計されているので、身長が低めの方でも足がしっかり床に着きますし、長時間座っていても疲れにくい座り心地が魅力です。
ゴツすぎないデザインで、ホワイト系インテリアの部屋にもすんなり馴染むのも◎。
「高級モデルまではいらないけど、快適なチェアが欲しい」って方にはピッタリです!
作業にもリラックスにも使えて、カラーもかわいい。
Eclairは“ちょうどよくてちょっと優しい”そんなゲーミングチェアでした!





